えっ!?「温かい飲み物」の飲み過ぎは身体に悪いの?《公式》

大塚和成です!!


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えっ!?「温かい飲み物」の飲み過ぎは身体に悪いの?

冷たいものを飲むと体が冷えてよくないと言われます。ですが、温かい飲み物、熱い飲み物のリスクもあるのです。

◆「身体を冷やすと健康に悪いから、温かい飲み物」は正解?

移動中や仕事の合間の休憩時間。温かいお茶やコーヒーを飲むと、ホッとした気持ちになりますね。秋や冬はもちろんですが、暑い季節であっても「身体を冷やすのはよくない」「冷たい飲み物は代謝が落ちる」と、温かい飲み物を選んでいる人もよく見かけます。

温かい飲み物は確かに身体を温めてくれますが、温かい飲み物ばかりを飲んでいると食道や胃に負担がかかることなどは意外と知られていないようです。

さまざまな視点で考えたとき、温かい飲み物は身体によいのでしょうか? 悪いのでしょうか? 健康的な飲み方の温度と飲み方について解説します。

◆温かい飲み物が身体に与える効果とリスク

女子大生を被験者とした一つの研究結果(※1)からご紹介しましょう。女子大生、女子大学院生27名に15°Cの水250ml、65°Cの湯250ml、65℃の湯150 mlを飲んでもらい、胃電図を測定する、という研究です。

この実験では、65℃の湯を飲んだ場合、150mlと250mlともに10分後に胃が活発に動いていることを示す「正常波」の出現頻度が増え、15℃の水を飲んだ場合は、10分後に一度、正常波の出現頻度が下がった後、20分後以降は温かい飲み物と同じくらいの頻度が確認されました。また、飲んだ量が多い方が10分後の正常波のパワーが強いことが分かりました。

この研究グループは、他の研究結果も同様の結果が出ているため、温かいものはそのまま消化、吸収されるが、冷たいものは一旦、胃の中で温まるのを待ってから消化、吸収されるのではないか、とまとめています。

さらに、温かい飲み物に関しては、65℃で提供されたものを火傷しないよう冷ましながら飲んでいたため、胃に到達する頃には40℃くらいになっていると考えられるそうです。冷たいものを飲んでも温かいものを飲んでも胃での消化吸収は体温に近い温度になるまで待ってから行われているのかもしれません。

一方で、温かい飲み物で身体を温めてばかりいると、体内の熱産生が行われにくくなるのではないか、と言う説もあります。主な熱産生は代謝、エネルギーの産生によって行われますが、温かい飲み物で身体が温まることで、身体はそれ以上体温を上げる必要はないと考え、熱産生を活発に行わなくなるのではないか、というのが理由です。

さらに、国立がん研究センターでは、上咽頭がんの原因として「喫煙、飲酒、熱い飲食物もリスクを高くすることが確実とされています」と解説しています。

消化吸収や消化器官の負担を考えれば、温かい飲み物を飲む場合でも熱すぎるのは考えもので、体温に近い温度の飲み物を選ぶのが身体にやさしいと言えるかもしれません。

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